2025/12/06

Huawei MatePad Edgeレビュー 2025:二合一タブレットの実力と課題

Huawei MatePad Edgeレビュー 2025:二合一タブレットの実力と課題 のキービジュアル

導入

Huaweiが提供するMatePad Edgeは、タブレットとPCの機能を同時に備えた二合一デバイスとして注目を集めています。HarmonyOS上でタブレットモードとPCモードをシームレスに切り替えられる点が最大の特徴です。

本稿では、実機評価を通じてそのハードウェア性能、ソフトウェア体験、そして中国市場における位置付けを詳しく解説します。

ハードウェアの概要

MatePad Edgeは14.2インチのOLEDディスプレイを搭載し、ベゼルはわずか4.1mmです。最大輝度は1000ニットに達し、色再現性とコントラストは業界トップクラスと評価されています。表面はマット加工が施され、屋外でも反射を抑えて視認性が高い点が特徴です。

価格は5999元(約1万円)からで、画面性能に対して非常にコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。ディスプレイに合わせて6スピーカーのハイローフィルタリング構成が採用され、音場は360度に広がります。さらに、Huawei FreeClipイヤホンと連携させることで、外部スピーカーと組み合わせた臨場感あるサウンドが実現します。

キーボードとスタンドの設計

本体には90度まで開くスタンドが内蔵され、ノートPCに近い姿勢での使用が可能です。付属の「星跃悬浮键盘」は磁石で本体と接続し、画面がキーボード上に浮かぶ形状を取ります。キーボードのキーストロークは長めで快適な打鍵感が得られ、タッチパッドの面積も広く、ノートPCに匹敵する操作性を提供します。

一方で磁力が強すぎるため、合体時に手が挟まれるリスクが指摘されています。また、キーボード単体の重量は530gで、MatePad Edge本体と合わせた総重量は約1.3kgとなり、MacBook Airよりもやや重く感じられます。

ソフトウェア体験:HarmonyOSの二面性

MatePad Edgeは単一のHarmonyOS上で、タブレットモードとPCモードという二つのインターフェースを提供します。タブレットモードは従来のMatePadと同様のタッチ中心UI、PCモードはデスクトップ風のウィンドウ管理やキーボードショートカットが利用可能です。ファイルシステムは共通で、アプリやデータはモード間でシームレスに共有されます。

この二面性は「一次開発、全端末展開」というHuaweiの戦略を体現していますが、実際の切り替えはデバイスの再起動に相当し、開いていたアプリや作業中のドキュメントはすべて閉じられます。そのため、頻繁にモードを行き来するユーザーにとっては作業の中断が大きな課題となります。

アプリエコシステムの現状

WeChatのデスクトップ版はタブレット版より完成度が高く、軽度のオフィス作業やチャットには十分に機能します。一方、BilibiliやFeishuなど一部の人気アプリはPCモード用が提供されておらず、タブレット版を拡大して使用するしかありません。また、サードパーティ製のブラウザが不足している点も指摘されています。

バッテリーとパフォーマンス

MatePad EdgeはSnapdragon X Elite搭載のSurface Proと同等のバッテリー持続時間を示し、連続使用は約5時間です。これは同クラスのMacBook Air(M3搭載)よりも2時間短いものの、軽度のオフィス作業やメディア視聴には十分です。負荷が高まるとファンが全開で回転し、音が気になる場面もあります。

CPU性能はMateBook Proクラスで、軽いCADや動画編集といったクリエイティブ作業も問題なくこなせます。仮想マシンでWindowsを起動した場合でも動作は可能ですが、解像度が低く、ファンが常時回転するため実用的とは言い難いです。

中国市場における位置付けと今後の展望

中国では政府主導で自社OSの普及が進められており、HuaweiはHarmonyOSを中心にエコシステムを拡大しています。MatePad Edgeはその象徴的製品であり、タブレットとPCの境界を曖昧にすることで、デバイスの多様化を促進しています。

しかし、二合一というコンセプト自体が「妥協」を伴うことが多く、ユーザーが実感できる新たな価値はまだ限定的です。特に、従来のノートPCが提供するキーボード・マウス中心の作業フローと比べ、タッチスクリーンの利便性がどれだけ生産性向上に寄与するかは、個々の使用シーンに大きく依存します。

今後は、HarmonyOS上でのアプリ最適化やモード切替時のデータ保持機能の改善が期待されます。また、AIチップの統合や中国AI企業との連携により、音声認識や画像処理といったAI機能が強化されれば、二合一デバイスとしての差別化が進むでしょう。

まとめ

Huawei MatePad Edgeは、優れたOLEDディスプレイと高品質なキーボード、そしてHarmonyOSの二面性を備えた「最も完成度の高い二合一」デバイスと言えます。一方で、モード切替時の作業中断やアプリエコシステムの未成熟さといった課題も残っています。中国市場における自社OSの普及戦略の一環としては重要な製品ですが、ユーザーが実感できる生産性向上には、さらなるソフトウェアとハードウェアの統合が必要です。

本機は、タブレットを主にエンターテインメント用途で使用しつつ、時折キーボードで文書作成や軽いデザイン作業を行うユーザーに最適です。従来のノートPCと比べて「新しい価値」を提供できるかは、今後のアップデート次第と言えるでしょう。

出典: https://www.ifanr.com/1647042