背景と規模
2025年国際エネルギー変革フォーラムが2023年10月24日、江蘇省蘇州市で開幕した。本フォーラムは「十年携手能源变革创新领航绿色未来」をテーマに、36か国・地域のエネルギー大臣や駐華大使、15の国際エネルギー機関の代表者、そして中外のエネルギー企業・研究機関・業界団体からなる2000人余りの参加者が集まった。
中国国家エネルギー局長の王宏志局長は、同フォーラムで「中国は世界最大かつ最も急速に拡大している再生可能エネルギー体系を構築し、エネルギー技術革新のリーダーである」と述べ、過去10年間の成果を詳しく紹介した。
風力・太陽光の急成長
過去10年で、風力発電と太陽光発電(光伏)の年次新設容量は連続して1億kW、2億kW、3億kWの大台を突破した。2023年末時点で、中国の風光発電合計装置容量は世界全体の約半数を占め、世界で新たに設置された容量の60%を中国が担っている。
再生可能エネルギー全体の発電装置容量比率は約60%に達し、エネルギー構造の低炭素化が決定的に進展したことを示す。国家エネルギー局の統計によれば、2023年7月末時点で全国の累計発電装置容量は36.7億kWで、前年同期比で18.2%増加している。そのうち、再生可能エネルギーの装置容量は16.8億kWで、全体の54%を超えている。
太陽光は48.0%、風力は20.3%の伸びを示し、特に太陽光は急速にシェアを拡大している。
国際協力と低炭素効果
王局長は「中国はオープンな協力姿勢を堅持し、エネルギーのグリーン・低炭素転換に向けたウィンウィンの新モデルを構築している」と強調した。これまでに100か国以上とグリーンエネルギー・プロジェクトで協力し、風力と光伏の平均度電コストをそれぞれ60%、80%削減した。
IT之家の調査によれば、中国で製造された風力・光伏製品は、過去1年間で二酸化炭素排出量を約26.5億トン削減したと算出され、世界的な低炭素転換に大きく貢献している。
今後の課題と展望
中国政府は、国家発展改革委員会などと連携し、2030年までにカーボンピークを達成するための再生可能エネルギー代替行動を本格的に推進する方針を示している。具体的には、抽水蓄能装置規模を8年連続で世界一に保ちつつ、さらなる装置容量の拡大と送電網の強化が求められる。
再生可能エネルギーが世界全体の電力需要の30%を初めて満たしたことは、中国の貢献が極めて大きいことを示す指標でもある。今後も国内外の技術革新と投資を呼び込み、持続可能なエネルギー供給体制の構築が期待される。
本フォーラムは、エネルギー転換の最前線で活躍する各国・地域の関係者が情報交換と協働の機会を得る場として、今後の国際エネルギー政策に影響を与える重要なイベントとなるだろう。