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2025/10/15

蔚来傘下の楽道、L90が10万台量産車下線 今週末に10万台交付へ



楽道ブランドが10万台量産車を下線、L90が主役に

中国の電動車メーカー蔚来(NIO)が展開するサブブランド「楽道(LEDAO)」は、本日公式ウェブサイトで、10万台規模の量産車が正式に下線したことを発表した。下線された車両は最新モデルの大型SUV「L90」で、同社は今週末に10万台目の新車交付を迎える見込みだ。

販売実績と成長スピード

楽道は2022年11月に10,000台の交付を突破し、2023年2月には30,000台、同年6月には50,000台に達した。2024年4月時点での累計は約80,000台と見られ、残り約20,000台を約4か月で納める計画だ。これは中国国内の大型SUV市場において、極めて高速な販売ペースと評価されている。

L90の販売開始から2万台交付へ

「L90」は2023年8月1日に国内で販売を開始し、わずか2か月足らずで20,000台の交付を達成した。9月29日には同モデルの2万台目の納車が完了し、同クラスの大型SUVとしては史上最速の販売記録となった。価格は購入方式で265,800円〜299,800元(約260万円〜300万円)で、バッテリーをリースするプランでは179,800円〜213,800元(約175万円〜210万円)となっている。

バッテリー交換ネットワークの拡充

楽道は蔚来が全国に構築したバッテリー交換インフラを活用できる。具体的には「9縦11横16大都市群」の高速道路上に配置された交換ステーションで、平均走行距離180kmごとに1拠点が設置されている。このネットワークにより、長距離走行時でも数分でバッテリーを交換でき、充電時間の不安を大幅に軽減できる。

ラインナップと価格帯

現在、楽道が販売しているモデルは「L90」と「L60」の2車種だ。「L60」は2023年9月に発売され、標準航続距離555kmモデルが206,900元(約200万円)から、長航続距離730kmモデルが235,900元(約230万円)で提供されている。L90は2023年7月31日に正式に販売開始され、先述の価格帯で購入またはバッテリーリースが選択できる。

中国EV市場における位置付け

中国は世界最大の電動車市場であり、政府の補助金政策や充電・交換インフラの整備が急速に進んでいる。蔚来はその中核企業の一つで、バッテリー交換という独自のサービスモデルで差別化を図っている。楽道は蔚来の技術とインフラを受け継ぎつつ、比較的手頃な価格帯で大型SUVを提供することで、ファミリー層や長距離利用者の獲得を狙っている。

今後の展望と課題

10万台交付のマイルストーン達成は、楽道にとって重要な節目であると同時に、今後の生産拡大やサプライチェーンの安定化が求められる課題でもある。特にバッテリーリースや交換ステーションの稼働率を高めるためには、利用者の認知拡大とサービス品質の維持が鍵となるだろう。加えて、中国国内だけでなく、アジア太平洋地域への輸出や現地生産の可能性も検討されており、グローバル展開への布石が見えてくる。

楽道が示す高速な販売実績とバッテリー交換インフラの活用は、今後の中国EV市場における新たなビジネスモデルの一例として注目される。10万台交付が実現すれば、同社は国内大型SUVセグメントでのシェア拡大と、バッテリー交換サービスの普及に大きく貢献することになるだろう。

出典: https://www.ithome.com/0/889/563.htm