2025/11/29

北京のAI産業規模、2025年に4500億元超え見込み

北京のAI産業規模、2025年に4500億元超え見込み のキービジュアル

北京が発表した『北京人工知能産業白皮書(2025)』によると、2025年上半期のAIコア産業規模は2152.2億元で、前年同期比25.3%増と急成長を示しています。年間規模は4500億元を超える見通しで、北京は世界的なAIイノベーション拠点としての地位を加速させようとしています。

白皮書の概要と主要数値

本白皮書は、北京科学技術委員会と中関村科技園区管委会が共同で作成し、全5章構成でまとめられています。第1章では世界的なAI開発の現状と中国の国家戦略を概観し、第2章で中国国内の具体的な実践例を紹介しています。第3章が北京における段階的な進捗、第4章が将来のトレンド予測、そして第5章が今後の政策提言となっています。

産業規模の現状

白皮書によれば、2025年上半期に北京全市の人工知能コア産業規模は2152.2億元で、前年同期比で25.3%の伸びを記録しました。この伸びは、北京が持つ豊富な研究機関とベンチャーエコシステムが相互に作用した結果と評価されています。中関村は「中国のシリコンバレー」と称され、百度、商湯科技(SenseTime)、依图(Yitu)などの大手AI企業が拠点を構えており、産業規模拡大の牽引役となっています。

年間規模の予測

白皮書は、上半期の実績と過去数年の成長率を踏まえて、2025年通年のAI産業規模は4500億元を超えると初期的に推計しています。これは、北京がAI関連の投資額、研究開発費、そして人材流入の面で国内トップクラスであることを裏付ける数字です。

北京が目指すAIイノベーション拠点像

北京は「全球に影響力を持つAIイノベーションの策源地」として、産業高地の形成を国家レベルで支援しています。具体的には、AIスタートアップへの資金援助、大学と企業の共同研究拠点の整備、そしてAI倫理・安全性に関する規制枠組みの整備が進められています。

政策支援の具体例

2024年に北京はAI関連のベンチャー向けに総額200億元規模のファンドを設立し、シードからシリーズAまでの資金調達を支援しています。また、北京大学や清華大学と連携した「AI産業クラスター」構想により、研究成果の産業化を加速させる仕組みが整備されています。

グローバルなAI潮流と北京の位置付け

白皮書は、2025年の世界的なAI発展が「単一技術の突破」から「エコシステム協調イノベーション」へとシフトしていると指摘しています。これに伴い、戦略主導、技術競争、規模拡大、応用拡張、エコシステムの競合・協調という5つの要素が同時に進行する構造が形成されつつあります。

北京はこの潮流の中核に位置し、AIチップ・ハードウェアから大規模言語モデル(LLM)まで幅広い領域で研究開発を行っています。特に、北京に拠点を置く企業はAIインフラ(訓練・推論)向けの高性能サーバーや省エネルギー技術の開発に注力しており、国内外のデータセンター需要に応えています。

産業応用の拡大事例

医療画像診断、スマートシティの交通管理、金融リスク評価といった分野で、北京発のAIソリューションが実装されています。例えば、北京の某AI企業は医療機関向けに画像診断支援システムを提供し、診断精度を約15%向上させたと報告されています。また、北京市は公共交通機関にAIベースの需要予測モデルを導入し、ピーク時の混雑緩和に成功しています。

今後の課題と展望

急速な産業拡大に伴い、データプライバシーやAIの「幻覚」問題といった倫理的課題への対応が求められています。白皮書は、産業安全性評価基準の策定と、AIシステムの透明性向上を次の重点課題として挙げています。

さらに、国際的な人材流動性の確保も重要です。北京は2025年までにAI研究者・エンジニアを10万人規模で確保する目標を掲げており、海外からの高度人材誘致策を強化しています。

総じて、北京のAI産業は規模と質の両面で拡大を続けており、2025年に4500億元を超える規模は、同市が世界的なAIハブとしての地位を確固たるものにする重要な節目となるでしょう。

出典: https://www.ithome.com/0/901/233.htm