2025/07/26

レブロン・ジェームズも標的に。拡散するAI偽情報と、肖像権の新たな課題

 生成AIの進化は留まるところを知りません。私たちの仕事やクリエイティブ活動を助ける一方で、その強力な技術は、悪意ある目的で利用される「影」の側面も色濃くしています。最近、NBAのスーパースター、レブロン・ジェームズ選手が、AIによって生成された悪質な「妊娠」フェイク動画の拡散を阻止するために動いていると報じられました。この一件は、単なるセレブリティのゴシップではなく、テクノロジーと社会の未来に深刻な問いを投げかけています。

スーパースターを襲った「妊娠デマ」AI動画の実態

報道によると、SNS上でレブロン・ジェームズ選手やその家族が「妊娠した」かのような、事実無根の動画が急速に拡散されました。これらは単なる画像加工ではなく、AI技術(ディープフェイク)を用いて精巧に作られた偽の映像です。その目的は、注目を集めて再生回数を稼ぐことや、単なる悪意ある嫌がらせである可能性が高いと考えられます。この事態に対し、ジェームズ選手のチームは動画の削除と拡散防止のために法的措置も辞さない構えを見せており、問題の深刻さを物語っています。影響力の大きい著名人がターゲットにされることで、偽情報がいかに早く、そして広範囲に広まるかという危険性が浮き彫りになりました。

単なるゴシップでは済まされない、AIが突きつける社会的課題

今回の事件は、有名人だから起きた特殊なケースと片付けることはできません。これは、AI時代における「肖像権」や個人の尊厳をどう守るかという、私たち全員に関わる問題です。テクノロジーの進化に、プラットフォーム側の対策や法整備が追いついていないのが現状であり、誰でも簡単に、同意なく他人の姿や声を使ったリアルな偽コンテンツを作成できる時代が到来しつつあります。悪意あるコンテンツを自動で検知する技術の開発、個人の権利を保護するための新たなルールの策定、そして私たちユーザー自身が情報を正しく見極めるリテラシーを身につけること。この三位一体の対策が、今後ますます重要になっていくでしょう。

Source: https://www.engadget.com/social-media/lebron-james-is-reportedly-trying-to-stop-the-spread-of-viral-ai-pregnancy-videos-211947871.html?src=rss