今回は、上海で開催された世界AI大会(WAIC)で発表された最新技術を中心に、中国で今まさに起きているイノベーションの最前線をお届けします。
## ロボットの「脳」を進化させる「世界モデル」開発競争が激化
テスラのOptimusが注目を集める中、中国では人型ロボットの「知能」を司る中核技術、「世界モデル」の開発競争が本格化しています。世界モデルとは、AIが現実世界をシミュレーションし、次に何が起こるかを予測することで、ロボットが自律的に判断し行動するための基盤となるものです。WAIC 2025では、智元ロボットが世界モデルのオープンソースプラットフォーム「Genie Envisioner」を発表。さらに商湯科技(SenseTime)も、同様の具身智能プラットフォーム「悟能」を公開しました。これらの技術は、ロボットが「見て、理解し、行動する」までの一連のプロセスを劇的に進化させる可能性を秘めており、家庭や工場でロボットが活躍する未来を大きく手繰り寄せるものとして期待されています。
## AIは日常へ。コーディングからメガネまで変える実用化の波
AIはもはや研究室の中だけの技術ではありません。ロボット犬で知られる宇樹科技(Unitree)の創業者は、AIによるコード生成の成功率が今や90%を超えることもあると語っており、ソフトウェア開発の現場を根底から変えつつあります。一方で、私たちの日常に直接溶け込むデバイスも登場しました。WAICで発表されたAIメガネ「Halliday」は、わずか28.5gの軽量ボディに処方箋レンズを装着でき、見た目は普通のメガネと変わりません。しかし、視線を少し動かすだけで情報を表示できるこのデバイスは、AI技術がよりパーソナルな形で私たちの生活をサポートする未来を予感させます。開発から製品まで、AIの実用化の波は着実に広がりを見せています。