
- 京東が公開した48B規模の大規模言語モデル「JoyAI-Flash」の特徴と技術的ハイライトを解説
- FiberPOフレームワークやMuon最適化器など、最新の学習手法がどのように性能向上に貢献しているかを紹介
- 日本のAI・テック業界に与えるインパクトや、競合他社との比較ポイントを考察
こんにちは!テックブロガーの○○です。最近、京東(JD.com)が Hugging Face 上で「JoyAI-LLM-Flash」という超大規模言語モデルをオープンソースにしたこと、皆さんはご存知ですか?48B(総パラメータ)というスケール感と、3Bのアクティベーションパラメータを持ちながら、従来モデルを上回るスループットを実現した点が非常に注目されています。生成AIやLLMが日本でも熱く語られる中、中国テックの最新動向をキャッチアップするのは必須ですよね。今回はその技術的背景と、我が国のビジネスシーンへの示唆をわかりやすく掘り下げていきます。
JoyAI-LLM-Flash の概要と主なスペック
JoyAI-LLM-Flash は、京東が独自に開発した大規模言語モデル(LLM)で、以下のような特徴があります。
- 総パラメータ数:48B(約480億)
- アクティベーションパラメータ数:3B(約30億)
- 学習データ:20 万億トークンのテキストコーパス
- 得意分野:最先端知識の理解、論理的推論、プログラミング支援、エージェント(自律型AI)
「20 万億トークン」って聞くだけで圧倒されますよね。実は、これは従来のオープンソース LLM が扱うデータ量の数十倍に相当し、知識の網羅性と推論の深さが格段に向上しています。
最新最適化フレームワーク「FiberPO」と「Muon」最適化器
FiberPO って何?
FiberPO は、京東が提案した新しい最適化フレームワークです。名前の通り「Fiber Bundle Theory(ファイバーバンド理論)」を強化学習(RL)に組み込むことで、パラメータ空間の構造をより効率的に探索できるように設計されています。簡単に言うと、モデルが「どの方向に学習すれば最も効果的か」を幾何学的に導き出す仕組みです。
Muon 最適化器と MTP(Multi‑Token Prediction)
従来の大規模モデルは、スケールアップすると学習が不安定になることが課題でした。JoyAI‑Flash では、Muon と呼ばれる独自の最適化器と、稠密 MTP(マルチトークン予測)を組み合わせることで、この問題を解消しています。実測では、MTP 非搭載版に比べてスループットが 1.3〜1.7 倍向上したと報告されています。
学習プロセス:SFT、DPO、RL の三段階ファインチューニング
JoyAI‑Flash のファインチューニングは、以下の三段階で行われました。
- SFT(Supervised Fine‑Tuning):人手で作成した高品質な対話データで教師あり学習
- DPO(Direct Preference Optimization):人間の好みを直接反映させる最適化手法
- RL(Reinforcement Learning):エージェントが環境と相互作用しながら報酬を最大化
この流れにより、単なる知識ベースの応答だけでなく、目的指向的な行動や長期的な計画立案が可能な「エージェント」レベルの性能が実現されています。
日本市場へのインパクトは?
日本のテック企業やスタートアップが注目すべきポイントは二つあります。
- 競争環境の激化:京東がオープンソースで提供することで、国内外の開発者が無料で最先端 LLM を利用できるようになります。これにより、国内のベンチャーが独自に大規模モデルを構築するハードルが下がり、イノベーションが加速する可能性があります。
- 産業AIへの応用シナジー:JoyAI‑Flash はプログラミング支援やエージェント機能が強化されているため、物流・小売・製造といった日本の産業分野での AI 自動化に活用できるシーンが広がります。特に、京東が持つ膨大な e‑コマースデータと同様のデータを保有する日本企業は、カスタマイズしたファインチューニングで差別化が図れるでしょう。
実際、楽天やZOZO といった国内大手も独自の生成AI開発を進めていますが、オープンソースの高性能モデルが手に入ることで、開発コストと時間を大幅に削減できるのではないでしょうか。
まとめ:JoyAI‑Flash が示す次世代 LLM の方向性
今回取り上げた JoyAI‑Flash は、単にパラメータ数が大きいだけでなく、FiberPO フレームワークや Muon 最適化器といった新技術で「スケールと安定性」の両立を実現しています。生成AI・LLM が日本でも急速に普及する中、こうした中国テック企業のオープンイノベーションは、我々にとっても大きな学びの材料です。ぜひ、実際に Hugging Face でモデルをダウンロードして、ハンズオンで体感してみてください。きっと新しい発見があるはずです。