
- 蔚来が2025年に過去最高の販売実績を達成し、2026年に向けた新車3モデルを発表しました。
- 新たな戦略は『結硬寨、打呆仗』というスローガンのもと、規模拡大から効率重視へシフトします。
- 日本市場でも注目すべきポイントは、充換電インフラの収益化と下位市場・海外展開の具体策です。
こんにちは!テックブロガーの○○です。中国の新興EVメーカー、蔚来(NIO)がついに2026年に向けた3つの新車と、これまでとは違う“効率重視”の経営戦略を発表しました。2025年に過去最高の販売台数を記録した蔚来が、次のステップで何を狙っているのか、そして日本のEV市場にどんな示唆があるのか、一緒に見ていきませんか?
2025年の成果と『金字塔』型プロダクト構造
蔚来は2025年に32.6万台を納車し、前年比46.9%の伸びを実現しました。特に12月は4.8万台を突破し、史上最高の単月販売を記録しています。主な要因は次の3本柱です。
① 高付加価値のES8
フラッグシップSUVのES8は、発売からわずか41日で月間2.2万台を売り上げ、ブランドのプレミアムイメージを確固たるものにしました。
② 中堅層を狙う楽道L90
発売から5か月で4.3万台を納車し、国内大型純電SUVの売上王者に。中産階級の需要を的確に捉えた点が評価されています。
③ エントリーモデルFirefly萤火虫
第4四半期だけで52.8%の伸びを示し、61%のシェアで高級小型車市場を独占。7か月連続でトップに立ち、ブランド全体の底辺をしっかり支えています。
この3層構造が、蔚来を“全細分市場を統御できる成熟新勢力”へと押し上げたと言えるでしょう。
2026年に向けた『驚险一跃』と新車ラインナップ
CEOの李斌氏は社内向けメッセージで、2026年は「驚险一跃(スリリングなジャンプ)」がキーワードだと語っています。具体的には、以下の3モデルが2026年上半期に投入されます。
ES9 – 超大型フラッグシップSUV
全長5.3メートルを超える全サイズSUVで、ビジネスシーンを意識したラグジュアリー仕様です。ET9と同源の“天行底盤”と900Vアーキテクチャを搭載し、半固体電池で走行距離を900kmまで伸ばす“技術過剰”を実現しようとしています。上半期に単月5万台突破を狙う、蔚来の勝負の切り札です。
改良版 ES7 – アウトドア志向の大型5座SUV
第3四半期にリリース予定で、広い荷室と前部トランク(フロントトランク)を強化。L90に匹敵する実用性を持ち、ファミリーからアウトドアユーザーまで幅広くカバーします。
楽道 L80 – コストパフォーマンス重視のミッドサイズSUV
価格は20万円以下を目標に設定し、L90と同プラットフォームながら後席空間とBaaS(Battery as a Service)モデルで差別化。L60・L90と価格帯を分け、理想L6などの競合と直接対決します。
インフラ戦略の転換:『輸血』から『造血』へ
蔚来はこれまで充換電ステーションを“輸血”的に拡大してきましたが、2026年は“造血”=収益化にシフトします。現在、国内外に3,737箇所の換電ステーションを保有していますが、今年は1,000箇所以上の新設を計画し、3ブランド(蔚来、楽道、萤火虫)すべてに対応させます。
さらに、エネルギー事業の“商業的運営能力”を強化し、単なるコストセンターから“利益センター”へと転換。これにより、車両保有台数の増加が直接収益に結びつく仕組みを構築しようとしています。
下沉市場と海外展開の具体策
蔚来は北上広深だけでなく、210以上の地級市へ同時に3ブランドを展開する“ワンストア・マルチブランド”戦略を開始します。これにより、地方都市の潜在需要を取り込み、販売網の厚みを増す狙いです。
海外では、萤火虫をフラッグシップに据えて40カ国・地域へ進出。小型高級車は欧米・中東・東南アジアで受け入れやすく、現地の規制や右ハンドル対応も進めています。
組織と技術の“効率化”
技術面では、5nmプロセスの自社開発AIチップと統合車載OSの量産化を進め、Cedar・Banyanといったプラットフォームをブランド横断で再利用することで、開発コストを大幅に削減します。これにより“一投入、三出力”というスケールメリットを実現しようとしています。
組織改革としては、“基本経営単位”モデルを深化させ、自己造血できない部門は厳しく評価されます。無駄を排除し、ROI(投資回収率)を徹底的に追求する姿勢は、かつての“ロマンティックな”蔚来から“計算された商業機械”への変貌を象徴しています。
日本市場への示唆
日本の自動車メーカーも、電動化とインフラ投資のバランスに頭を悩ませています。蔚来が“換電ステーションの収益化”に成功すれば、国内の充電インフラ事業者にとっても新たなビジネスモデルのヒントになるでしょう。また、L80のような“価格帯別戦略”は、トヨタや日産が展開するミッドサイズSUVと直接競合する可能性があります。日本のEVメーカーは、蔚来の“効率重視”戦略を参考に、コスト削減と付加価値創出の両立を模索すべき時期に来ていると言えるのではないでしょうか。
以上、蔚来の2026年に向けた新車ラインナップと戦略転換について解説しました。EV市場は日々変化していますが、長期的な視点で“効率と収益”を追求する姿勢は、どの企業にとっても重要なヒントになるはずです。次回も最新のテックニュースをお届けしますので、ぜひチェックしてくださいね!