中国中央テレビ(CCTV)は、同社が制作する大型ライブイベント『鸿蒙星光盛典』を、2024年11月28日(木)に深圳市龍崗区の大運体育センターで開催すると発表した。放送はCCTV-2(央视财经)、央视新闻、央视频、央视财经の各チャンネルで同時ライブ配信される。
鸿蒙OSの位置付けと意義
主催側は「鸿蒙系统は、全国产自主可控の初のオペレーティングシステムであり、中国の技術自立イノベーションを象徴する」と語り、テクノロジー専門家や業界リーダー、芸術家らが一堂に会し「在一起,就可以」のテーマのもと、技術と文化の融合を示す夜を演出するとした。具体的なプログラム内容は未公表だが、同イベントは国内外の注目を集めている。
鸿蒙エコシステムの現状
昨年10月にHuaweiは、鸿蒙エコシステムに接続されたデバイスが10億台を超え、国内OS市場シェアで第2位に上昇したと発表した。エコシステムはOpenHarmonyというオープンソースプロジェクトを基盤としており、5年間でコード行数は1.3億行を超え、貢献者は9,200人以上に達した。これまでに1,300以上のハードウェア・ソフトウェア製品と、金融・交通・教育・エネルギー・航空・消費電子など70以上の業界向けディストリビューションがリリースされている。
Huawei端末における鸿蒙5の展開
今年に入ってから、Huaweiは全ての主要端末に鸿蒙5を搭載し、スマートフォン、ノートパソコン、タブレット、スマートウォッチ、スマートディスプレイといった多様なカテゴリを網羅している。代表的な製品として、リアルタイムの人物感知インタラクションを実装した『Pura X』、AI機能を統合した『MateBook Fold 非凡大师』、PCレベルのアプリケーションと操作体験を提供する『Mate XTs』、音声指向リモコンやAI検索機能を備える『MateTV』が挙げられる。
Pura Xの新機能
『Pura X』は「小艺(XiaoYi)」というリアルヒューマンインタラクションエンジンを初めて採用し、ユーザーのジェスチャーや表情に応じた自然な対話が可能となっている。
MateBook FoldのAI統合
『MateBook Fold 非凡大师』は鸿蒙AIを搭載し、デバイス間のシームレスなアプリ連携を実現。ユーザーはスマートフォンで開始した作業を折りたたみノートで続行できる。
Mate XTsのPC体験
『Mate XTs』は従来のスマートフォンを超えるPC級アプリケーションとマルチウィンドウ操作を提供し、ビジネスシーンでも本格的な生産性を発揮できる。
MateTVのインタラクティブ機能
『MateTV』はHuawei独自の音声指向リモコン「灵犀(Lingxi)」とAI検索機能を組み合わせ、テレビ操作を音声だけで完結させる体験を提供する。
今後の注目ポイント
『鸿蒙星光盛典』は、単なる製品発表の場に留まらず、国家レベルで推進される「自主可控」戦略の実装例として位置付けられる。イベントの模様は国内外のメディアで広く報道され、特にオープンソースコミュニティの成長や産業横断的なエコシステムの拡大が注目されている。今後、鸿蒙OSがどの程度国際市場で競争力を持つか、また中国国内のデジタルインフラにどのように組み込まれるかが注視されるだろう。
本稿では、イベントの基本情報と現在進行中の鸿蒙エコシステムの実績、Huawei端末における最新機能を中心にまとめた。詳細はライブ配信や公式発表を通じて随時確認することが推奨される。
