小鹏は第2世代VLAと新型LiDARでL4レベルの自動運転を実証し、テスラと本格的に競争を開始しました。本稿では技術概要、ハードウェアの進化、市場評価、リスク、今後のロードマップを整理しています。
- 第2世代VLAは言語翻訳工程を除去し、200ms以下の反応遅延を実現。
- LiDARはライン数が192線から896線へ増加し、検出距離が大幅に伸長。
- 広州での実走行は2時間・42.5km、ドライバー介入は0回。
- 主要アナリストは小鹏を「買い」と評価し、テスラに匹敵すると指摘。
- 法規制やサプライチェーンに課題が残る。
自動運転技術はハードウェアとAIアルゴリズムの両輪で進化しています。2026年3月2日に発表された小鹏の第2世代VLA(Vision‑Language‑Action)モデルは、従来のプロセスを簡素化し、実走行でL4レベルの自律走行を実証しました。本稿では、同モデルの技術的特徴と市場へのインパクトを整理し、関係者が把握すべきポイントをまとめます。
第2世代VLAの概要と第1世代との比較
第2世代VLAは視覚情報と行動指示を同時に処理することで、言語翻訳工程を廃止し、反応遅延を約500msから200ms以下に短縮しました。学習データは約50PB、トークン数は4万億に拡大し、広州のP7で2時間・42.5km走行し、ドライバー介入は0回でした。
| 項目 | 第1世代VLA | 第2世代VLA |
|---|---|---|
| 言語翻訳工程 | あり | なし |
| 反応遅延 | 約500ms | 200ms以下 |
| 学習データ量 | 約10PB | 50PB |
| トークン数 | 約1万億 | 4万億(4×10¹²) |
LiDARの性能向上
同時期に発表されたHuawei製のLiDARは、ライン数が従来の192線から896線へ増加しました。これにより、低反射率障害物の検出距離が約190%、異形障害物の検出距離が約77%伸長し、道路環境の把握精度が大幅に向上しています。
市場と投資家の評価
Morgan Stanley、米国銀行、HSBCのアナリストは小鹏を「買い」と評価し、テスラに対抗できると見ています。数十億人民元規模の基礎モデル投資が行われ、2026年の海外販売は前年の2倍、2030年までに世界で100万台の販売を目指す計画です。国内ロボタクシー試験の開始に伴い、センサー需要は30%増加が予測され、利益の大部分を海外で創出する方針です。
直面するリスク
自動運転の法規制は各国で未整備の部分が多く、認可プロセスが不透明です。また、大規模学習に必要なデータのプライバシー管理や海外データ適応に伴う追加コストが不確定要素となります。さらに、高線数LiDARの供給安定性がサプライチェーンリスクとして指摘されています。
今後のロードマップ
- 2026年1月:L3を飛び越えてL4自動運転を宣言。
- 2026年2月:自動運転センターとインテリジェント座舱センターを統合し「通用智能中心」設立。
- 2026年3月2日:第2世代VLAのメディア体験日開催。
- 2026年3月4日:Huaweiが896線LiDARを発表。
- 2026年3月中旬:広州でP7実走行(0介入)を実証。
まとめ
小鹏は第2世代VLAと高解像度LiDARにより、L4レベルの自動運転実証に成功しました。投資家からはテスラに匹敵する評価が出ており、海外販売拡大とAIインフラ投資が成長の鍵と見られます。一方で、法規制の未整備やサプライチェーンリスクは依然として大きな課題です。今後は技術の実装と同時に、規制対応や部品供給の安定化が求められます。






