
- 華為昇騰が0 DayでQwen3.5を即座に適応、開発サイクルが劇的に短縮。
- Qwen3.5‑Plusは3970億パラメータで、実効パラメータは170億に抑えつつ性能は1兆規模モデルを上回る。
- MindSpeed MMフレームワークがマルチモーダルLLMの訓練・推論を高速化し、コストとGPU/NPU負荷を大幅削減。
こんにちは!テックブロガーの○○です。最近、AI業界で大きな話題になっているのが、華為(ファーウェイ)の昇騰(Ascend)チップと阿里巴巴(アリババ)の新世代大規模言語モデルQwen3.5の“0 Day適応”です。まさに、生成AIとLLMの最前線が中国から飛び込んできた瞬間ですよね。今回は、技術的なハイライトから日本のビジネスパーソンにとっての示唆まで、ざっくりと解説していきます。
Qwen3.5とは何がすごいのか?
Qwen3.5は阿里が2024年の年末に公開した最新のオープンソースLLMです。中でも注目すべきは2つのバリエーションです。
Qwen3.5‑Plus
総パラメータは3970億、実際に活性化されるパラメータは170億と、従来の「大きい=遅い」モデルの常識を覆す設計です。性能は1兆パラメータ規模のQwen3‑Maxを上回り、メモリ使用量は60%削減、推論スループットは最大19倍に向上しています。
Qwen3.5‑397B‑A17B(フラッグシップ)
こちらはオープンソースシリーズの旗艦モデルで、パラメータは3970億、マルチモーダル(テキスト+画像+動画)に対応。多言語対応は119種から201種へ拡大し、語彙数も25万語に増えているため、エンコード・デコード効率が10〜60%向上しています。
華為昇騰が実現した“0 Day適応”とは
華為計算公式が発表したのは、Qwen3.5がオープンソース化された瞬間に、昇騰チップ上でMindSpeed MMフレームワークを使って「即座に」訓練・推論環境を構築したということです。具体的には、以下のポイントが挙げられます。
- Atlas 800 A3、Atlas 900 A3SuperPoD上での訓練再現が数時間で完了。
- vLLM‑Ascend と SGLang を活用し、Atlas 800 A2・A3上で高効率推論が可能に。
- FSDP(Fully Sharded Data Parallel)をベースにしたバックエンド設計で、モデル適応期間が従来の数倍に短縮。
要は「箱を開けたらすぐに使える、すぐに改良できる」開発体験が実現した、ということです。これにより、研究者や開発者はハードウェアの最適化に時間を取られることなく、アルゴリズムやデータセットの改善に集中できます。
技術的なキーポイント:MindSpeed MMとQwen3‑Nextアーキテクチャ
MindSpeed MMは、FSDPと組み合わせた分散訓練フレームワークです。大規模モデルをNPU(Neural Processing Unit)上で効率的にスケールさせるために、パラメータのシャーディングと通信オーバーヘッドの最小化を実現しています。
一方、Qwen3‑Nextは「高スパース度MoE(Mixture‑of‑Experts)」「Gated DeltaNet+Gated Attention」などのハイブリッド注意機構を採用し、32k〜256kトークンの長文でも高速デコードが可能です。実測では、32kコンテキストでのデコードスループットが従来モデルの8.6倍、256kでは19倍に達しています。
日本企業にとっての示唆は?
日本のAIスタートアップや大手企業が注目すべきは、以下の2点です。
- 「低コスト・高性能」なインフラが手に入ることで、国内のAIプロジェクトがスピーディに立ち上げられる。
- マルチモーダル対応と多言語拡張は、グローバル展開や国内の多様な言語ニーズ(方言・ローカル言語)に対する競争力を高める。
例えば、製造業の不良検知や医療画像診断といったマルチモーダルタスクは、Qwen3.5‑397B‑A17Bの「テキスト+画像」統合能力で、従来の単一モーダルモデルよりも高精度かつ低コストで実装できる可能性があります。さらに、AscendのNPUはエネルギー効率が高く、環境規制が厳しい日本市場でも受け入れやすい点が魅力です。
実装・デプロイのハウツー
実際に手を動かす際の参考リンクをいくつか紹介します。
- vLLM‑Ascend デプロイガイド(魔楽コミュニティ): https://modelers.cn/models/vLLM_Ascend/Qwen3.5
- SGLang デプロイガイド: https://docs.sglang.io/platforms/ascend_npu_qwen3_5_examples.html
これらの資料を参考に、まずは小規模なテスト環境で「0 Day適応」の流れを体験してみてください。実際に動かすと、ハードウェアとソフトウェアがシームレスに連携している感覚が得られ、開発スピードが格段に上がります。
まとめ
華為昇騰と阿里巴巴が見せた「0 Dayでの即時適応」は、生成AIとLLMの実装ハードルを大きく下げる画期的な事例です。MindSpeed MMフレームワークとQwen3‑Nextアーキテクチャの組み合わせにより、訓練・推論コストが削減され、マルチモーダル・多言語対応が加速します。日本の企業や研究者にとっても、これらの技術は新たなビジネスチャンスや研究テーマを提供してくれるはずです。ぜひ、次のプロジェクトで試してみてくださいね。