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2025/10/09

AMD CEOリサ・スー、AIバブル批判を退けOpenAIと数百億ドル提携を発表

AIバブル論に対するリサ・スーCEOの見解

10月8日、AMDの最高経営責任者(CEO)であるリサ・スー氏は、Yahoo!ファイナンスのインタビューで、メディアが指摘する「大規模なAI投資は過熱しており、AIバブルが崩壊する」という懸念に対し、これらの見方は「視野が狭い」と批判した。スー氏は、AI技術がもたらす社会的インパクトを総合的に評価すべきだと強調し、単に投資規模だけで評価することは短絡的だと述べた。

OpenAIとの数百億ドル規模の提携内容

同社は10月6日、人工知能分野のリーダーであるOpenAIと、数百億ドル規模の協業契約を締結したことを発表した。契約の主な内容は、OpenAIがAMDの株式最大10%を1株あたり1セント(約0.071元人民元)で取得し、AMDのプロセッサをベースにしたAIデータセンターの共同開発を行うというものだ。さらに、OpenAIはAMD製のInstinct GPU(複数世代にわたる)を用いた6ギガワット規模のAIチップを購入することを約束した。

株価への即時影響とスーCEOのコメント

提携発表直後、AMDの株価は急騰し、10月6日の取引では一時35%上昇した。翌日の取引開始前(プレマーケット)でも4%の上昇が見られた。スー氏は「我々は正しいペースで投資を進めており、この協業は長期的に持続的なリターンをもたらす」と語り、株価上昇を短期的な結果だけでなく、戦略的パートナーシップの価値と位置付けた。

AI熱潮はまだ初期段階、今後の展望

スー氏はAI熱潮は「まだ初期段階」にあるとし、技術が産業全体に浸透し始めたばかりであると指摘した。医薬品開発のスピードアップや疾病撲滅、早期診断の精度向上など、具体的な社会課題への貢献が期待できると述べ、AIがもたらす実質的な変化を強調した。AMDは自社のGPUとCPUのハイブリッドアーキテクチャを活かし、AIワークロードに最適化したプラットフォームを提供することで、各業界のデジタルトランスフォーメーションを支援するとした。

リサ・スーCEOの経歴とAMD再建への軌跡

リサ・スー氏は台湾・台南出身で、マサチューセッツ工科大学(MIT)で電気工学の博士号を取得している。テキサス・インスツルメンツ、IBM、フリースケール・セミコンダクタなどで経験を積んだ後、2012年にAMDに入社。以降、Xbox OnePlayStation 4といった主要ゲーム機に自社チップを採用させた「Zen」アーキテクチャの開発を主導し、当時経営危機にあったAMDを復活させた立役者として評価されている。今回のAI分野への本格的なシフトは、同氏が掲げる「ミッションドリブン」な経営姿勢の延長線上に位置付けられ、AI人材の確保や技術革新への投資が加速する見通しだ。

AMDは今回の提携を機に、AIチップ市場でのプレゼンスを一層高め、データセンター向けソリューションの拡充を図るとともに、長期的な成長エンジンとしてAI技術の普及を狙う。スーCEOは「AIは人類が直面する課題を解決する鍵であり、我々はその実装を支える基盤を提供し続ける」と語り、今後の戦略的ロードマップに自信を示した。

出典: https://www.ithome.com/0/888/062.htm