新世代タブレットとしての位置付け
OPPOは最新のフラッグシップスマートフォン「Find X」シリーズと同時に、次世代タブレット「OPPO Pad 5」を発表した。従来の「OPPO Pad 4 Pro」のデザインを踏襲しつつ、画面を「通常版」と「柔光版」の2タイプに分け、価格は2599元(約4万円)から設定されている。
デザインと素材の特徴
背面は中心にOPPOロゴ、右上に小さなDECOロゴ、底部に外部アクセサリ用の3点接続端子を配置し、余計な装飾を排除したシンプルなデザインとなっている。流光幻彩工芸で表現された星河のような波紋模様は、光を受けると微細なグラデーションが浮かび上がり、マット感のある磨砂仕上げが手触りを快適にする。
本体厚さは5.99mmで、指先にぴったりと収まる滑らかなエッジが特徴。カラーは「星河銀」「深空灰」「幸運紫」の3色が用意され、柔光版は「星河銀」と「幸運紫」の2色展開で、特に「幸運紫」だけが上位ストレージバリエーションを提供している。
ディスプレイ:柔光技術と高リフレッシュレート
正面に搭載されたのは12.1インチ、解像度3000×2120ピクセルの3K超高精細ディスプレイで、画面比率は7:5となっている。最大輝度は900ニット、リフレッシュレートは144Hz、タッチサンプリングレートは540Hzを実現し、動画視聴から高速ゲームまで幅広いシーンに対応できる。
柔光版は新世代の高精度ナノエッチング技術を採用し、環境光の97%を抑制することで、天井灯や蛍光灯の直射光が画面に与える影響を最小限に抑える。従来の雲母加工に比べて粒子サイズが22%低減され、画面の透明感と細部表現が向上している。
パフォーマンスとストレージ構成
内部にはMediaTekの「Dimensity 9400+」モバイルプラットフォームを搭載し、CPUとGPUの処理能力が大幅に強化されている。メモリはLPDDR5X、ストレージはUFS 4.1を採用し、8GB/12GB/16GBのRAMと128GB/256GB/512GBのROMから組み合わせを選択できる。
ゲーム向けには「ゲームアシスタント」機能が強化され、ライブ映像のスクリーンショット保存が可能となっている。これにより、プレイ中のハイライトや操作手順を簡単に共有できる。
バッテリーと充電
バッテリー容量は10165mAhで、Wi‑Fi利用やColorOSによるスマートフォンとのネットワーク共有時でも、長時間の使用が可能と評価されている。充電は67WのSUPERVOOC高速充電と、55W PPS規格の汎用急速充電に対応し、どちらの方式でも充電時間に大きな差は生じない。
付属の充電セットは67W SUPERVOOC対応で、同梱の充電器を利用すれば数十分で実用的なバッテリーレベルに回復できる。55W PPS対応の他デバイス(OPPOスマートフォンやイヤホン)と同時に充電できるマルチポート充電器との相性も良好だ。
アクセサリとエコシステム
本体に加えて、OPPOは専用のスマート保護ケース、タッチキーボード、そして新型「OPPO Pencil 2 Pro」スタイラスを提供している。これらはタブレットをノートパソコンのように活用できる環境を整え、学習・ビジネス・クリエイティブといった多様な用途に対応する。
価格設定とラインナップ
通常版は「星河銀」および「深空灰」の2色で、以下の4つの構成が用意されている。
- 8GB+128GB:2599元
- 8GB+256GB:2799元
- 12GB+256GB:3099元
- 16GB+512GB:3599元
柔光版は「星河銀」と「幸運紫」の2色で、ストレージは次の3構成になる。
- 8GB+256GB(星河銀):2799元
- 8GB+256GB(幸運紫):3099元(プレセール価格)
- 12GB+256GB(幸運紫):3399元
中国市場での位置付けと今後の展望
中国のタブレット市場は、教育・リモートワーク需要の拡大に伴い、ハイエンドモデルへの関心が高まっている。OPPOはスマートフォンだけでなく、タブレットでも高性能・高品質な製品を提供することで、同市場でのプレゼンスを強化しようとしている。
特に柔光版の「97%の環境光抑制」や「22%の粒子サイズ低減」といったディスプレイ技術は、長時間の読書や作業に適した視認性を実現し、競合他社製品との差別化要因となり得る。
今後、OPPOが提供するエコシステム(スマートケース、キーボード、スタイラス)と組み合わせることで、タブレットを単なるコンテンツ消費端末から、生産性ツールへと昇格させる戦略が注目される。
以上が、OPPO Pad 5(柔光版)に関する総合的な評価である。