実店舗決済:銀聯POSシステムの特徴
中国の実店舗決済市場では、銀聯(UnionPay)のPOSシステムが広く利用されています。このシステムは、国際ブランドのVISAやMastercardと異なり、銀聯がブランド組織としても、子会社の銀聯商務を通じてアクワイアラー業務にも関与しています。このモデルでは、手数料はイシュアーと銀聯(銀聯商務および銀聯データを含む)で按分され、その比率は7:3です。
実店舗での決済プロセスは以下の通り
- 消費者は商品やサービスの代金を支払うために銀聯カードを使用します。
- 加盟店はPOS端末でカード情報を読み取り、取引を処理します。
- この情報は銀聯ネットワークを通じて消費者の銀行に送信されます。
- 銀行は取引を承認し、その情報を銀聯を通じて加盟店に送信します。
- 承認されると、取引は完了し、消費者の口座から代金が引き落とされます。
銀聯のアクワイアラーとしての役割
銀聯がアクワイアラーとして機能する場合、加盟店からの手数料をイシュアーと銀聯で分配します。このモデルでは、銀聯は加盟店と消費者の間でのトランザクションの処理において中心的な役割を果たします。
商業銀行とISOの役割
銀聯が単なるブランド組織として機能する場合、商業銀行がアクワイアラーの役割を担い、ISO(独立販売組織)を通じて加盟店の獲得を行います。この場合の手数料按分は7:2:1(イシュアー:商業銀行:銀聯)となります。
国際カードブランドとの手数料按分の比較
VISAやMastercardなどの国際カードブランドの場合、手数料の按分は異なります。これらのブランドでは、手数料はイシュアー、アクワイアラー、そしてカードブランド組織で分けられます。具体的な按分比率はブランドや取引の種類によって異なりますが、一般的にはイシュアーが最大の割合を受け取ります。
銀聯と国際カードブランドの最大の違いは、銀聯がブランド組織とアクワイアラーの両方の役割を担う点にあります。これにより、手数料按分の構造が異なり、中国の決済市場において独自の地位を確立しています。また、国際カードブランドはより多様なグローバルネットワークを持っているため、手数料の構造もそれに適応しています。

