2014/01/17

中国銀聯のグローバルな拡大とオンライン決済市場における立ち位置

銀聯(UnionPay)は、中国国内の銀行間を結ぶ主要な決済ネットワークです。中国人民銀行の主導の下、2002年に設立されました。中国の銀行が発行するキャッシュカードには銀聯のロゴが付けられ、これによりカードは買い物に直接利用できるようになりました。決済時、利用者の銀行残高から直ちに代金が引き落とされるシステムです。これは、日本の「J-Debit」や、イーバンク銀行やスルガ銀行などが発行する「VISAデビットカード」と同様のサービスです。

2012年時点で、銀聯カードの発行枚数は35億枚に

現在、銀聯カードの取り扱い加盟店は世界中で1000万店を超え、そのうち海外の加盟店は700万店以上です。海外での取り扱いネットワーク拡大を進めており、アメリカ、韓国、ハンガリー、アイスランドなど500万店以上の加盟店でサイン決済が導入されています。これにより、カード会員は海外で銀聯デビットカードや銀聯クレジットカード(ともにカード番号が62から始まる銀行カード)を利用し、サインおよび暗証番号入力による決済が可能です。さらに上記の国々では、銀聯クレジットカードによるサインのみでの決済が可能になっています。

銀聯のネットワークは、125の国と地域に拡がっており、特に中国人が頻繁に訪れるアジア太平洋地域や欧米の主要目的地での利用環境は日々向上しています。香港、マカオ、シンガポールではほぼ全ての加盟店が銀聯カードに対応し、台湾や東南アジア地域の国々では半数以上の加盟店が対応しています。欧米の主要な観光都市では、中国人観光客が訪れる有名ブランドショップを中心に、加盟店数が急増しています。


ただし、オンライン決済の市場においては、銀聯のシェアは13%に留まっています。ペイパルのようなアカウントベースの決済が主流で、市場シェアトップは支付宝(46.3%)、財付通(20.3%)が占めており、その後に銀聯オンラインペイメント(13.0%)、快銭(6.2%)、匯付天下(5.7%)、易宝支付(3.2%)、環迅支付(2.7%)、その他(2.6%)が続いています。