AI業界の著名人、元「01.AI(零一万物)」共同創業者である戴宗宏氏が、新たな挑戦を開始しました。彼が設立した新会社「基点起源」は、多くのスタートアップが敬遠する「BtoB向けカスタムAI開発」という領域に、革新的なアプローチで切り込んでいます。わずか20人のチームで、本来なら100人以上を要する大規模プロジェクトを遅延なくこなすという、驚異的な生産性の秘密に迫ります。
AIが専門家チームを代替する「AIオペレーティングシステム」
従来のAIカスタム開発では、専門家チームが数ヶ月かけて顧客企業へのヒアリング、データ収集、分析、モデリングを行うのが一般的でした。基点起源が開発した「AIオペレーティングシステム」は、このプロセスを根底から覆します。企業の複雑な生データをAIが直接学習し、わずか1日で業務フロー全体を自動的に描き出すのです。これにより、人手を介さずにビジネスの正確なデジタルツインを構築し、それを基盤としたソリューション開発を可能にします。もはや、AI企業のコンサルタントが担ってきた「面倒で骨の折れる仕事」は、AI自身がこなす時代が到来したのです。
「効果」に支払う市場のニーズを捉えた新ビジネスモデル
この革新的な技術は、驚異的な組織効率を実現しています。基点起源では、現在わずか20人ほどのエンジニアチームが、鉄鋼から新エネルギーまで多岐にわたる業界のカスタムプロジェクトを7〜8件同時に推進しています。これは、従来のAI開発企業であれば100人以上の体制が必要な規模です。ツールではなく「成果」に対して対価を支払うことを好む中国市場の特性を的確に捉え、顧客が求めるビジネス価値に直結するソリューションを提供することで、すでにエンジェルラウンドで1億元(約20億円)以上の資金調達にも成功。AIによる自動化は、単なるコスト削減に留まらず、BtoBビジネスのあり方そのものを変革する可能性を秘めています。